先日のお知らせの通り、光市束荷(つかり)地区にある束荷神社で、10年に1度の「御式年祭」が3月31日と4月1日の両日で執り行われました。

この御式年祭は大変貴重でとりわけ地方では最近の傾向のように祭の維持が出来ないところが多い中、限りなく地域が協力し伝統をそのままにしっかりとした式年祭が執り行われていました。

また、周辺地域在住でも今回の式年祭には積極的に参加され、中には東京からこの祭のために帰って来られ参加された方もいました。そんなお祭を少しレポしました。
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束荷神社
明治42年に当地の3社である、粟屋権化(1159年)、山本権化(1181年)、菅原神社(1225年)を粟屋神社の跡地に束荷神社として建立。
※山本権化は近江(滋賀)坂本山王権化より勧請。菅原神社は京都北野天満宮より勧請
さらに昭和に入ってから伊藤公資料館敷地内にあった伊藤神社を合祀。そのため伊藤神社とも言われる。
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DAY1(3月31日)奉納・巫女舞・祈念祭・交通安全祈願祭
御式年祭_束荷神社-12
初日の3月31日では、本宮(束荷神社)での祈念と巫女舞を含む祭祀が滞りなく執り行われたあと、男衆による町のねり歩きが始まります。大きな舟と声・歌声で行列をなし、歩く姿はとても面白い。「ザ・祭り」感を覚えずにはいられません。
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各地区が隊をなして同時並行的に自身の地区を練り歩くようです。町を練り歩いた後は、本宮へ戻ります。顔に白粉(おしろい)を塗り気合いを入れての段上がり。
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外の男衆とはうって変わって本宮で舞を待つ巫女さん。巫女は、この地域の小学生から中学生が中心に巫女として参加されており、この日は午後より「束荷神舞」という舞を奉げる予定となっていました。
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DAY2(4月1日)御式年祭・巫女舞・御神幸・御神幸本宮着
朝10時より本宮(束荷神社)では、御式年祭が行われます。
厳かに宮司が祭を取り仕切り祝詞(のりと)を上げ、祭の中で巫女が舞を奉げます。長年脈々と受け継がれていく舞は感嘆とするものですね。
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水引で縛った絵元結。
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2日目に巫女が舞を奉げるのは本宮、野尻御旅所、伊藤公公園3カ所。神事と共にある神舞のため結構な体力を使うそうです。

さて、本宮の神事が終わると男衆による神輿を担いての御神幸。本宮と菅原神社との往復になります。
1日目のねり歩きとは全く違う雰囲気で、どこか気持ちが引き締った凛とした空気をかんじた。
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鳥居をくぐった本宮までの最後の急な参道。
ここを担いであげる様はこの式年祭の最後のクライマックスと言うべきか、力強く上がっていく様子は感動さえ覚えるところ。
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次の御式年祭は10年後の2028年。
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